オリーブオイル精製の裏側 – River EstateのBarrieさんに聞く。

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こんにちは、KOJIです。

有難いことに、今年もオリーブオイルのオリジナルブレンド調合に行かせてもらいました。

River Estate olive oilsのBaliさん、いつも大変お世話になってます★

ん?オリーブオイルのブレンド?

はい、オリーブオイルも、いくつかの種類のオリーブからブレンドされて作られます。その理由(わけ)も、なるほどなぁの製法。

ということで今回の記事は。こんな感じ↓

・ニュージーランドはオリーブオイルも得意な国。

・その年、収穫タイミングでオリーブの状態が全く違う。

・毎年違う各種オリーブの味。毎年ブレンド配合率もおのずと変化。

・生産者との関わりは色んな喜びとなり、料理に強く作用していく。

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フルーツ大国ニュージーランドはオリーブにとっても恵まれた土壌と気候だった。

果物が得意。

ワイン大国として有名なニュージーランド。フランスワインにもイタリアワインにも見られない特徴的で楽しいワインは世界中で人気なのは皆さんご存じではないでしょうか。

また、Zespriで有名なキウィフルーツの生産大国。日本で売られているキウィの90%がニュージーランド産!馴染みがあるわけですねぇ。

ニュージーランド産のリンゴもオレンジもイチゴも果物は甘く、酸っぱく、どれも力強く味わいがあります。

・日照時間・寒暖差・石灰土壌

長い日照時間は光合成を促し、そして栄養をうんと蓄える。日が暮れて大きく気温が下がることで、フルーツ樹は呼吸を減らし、省エネモードに入いる。このサイクルが、フルーツを美味しくしていきます。

水はけの良い土壌(石灰土壌 – limestoneなどの) により木の根がより深い層へと下方に足を延ばし、より養分のある地層へ到達。より深い地層から、果実に必要なさまざまな有機物、ミネラルを取り込み、よりフルーツとして美味しくなるわけです。

で、Extra Virgin Olive Oil 精製に用いられるオリーブも同様にも、こういった条件は大きく作用します。

しかしオリーブオイルの為のオリーブは、完熟する前に収穫することで苦みや辛みをフューチャーすることに特徴があります

判断の難しい収穫時期。

花が咲いてから180日が目安。

オリーブは10月と11月のそれぞれに2度花が咲きます(ニュージーランドのの10月11月は初夏になります。)

咲いた花が実(種)になり、収穫がだいたい180日の目安。(半年後の、4月と5月になりますね。)

収穫時のタイミングが非常に難しく、この180日目、10日前後が非常にセンシティブ。味に違いが大きく出るそう。

さらにこの4月、5月の天気が非常に不安定で嵐のような悪天候がしばしば。嵐が予想されれば、その前日までに収穫しなければならない。ベストタイミングではない、早や摘みを余儀なくされるというわけだ。

完熟直前の収穫がベスト。

オリーブオイルには、程良い苦みや辛み(ペッパリー)、渋み、甘さ、色んな要素があります。

特に重要視されるのが、苦みや辛みです。苦みや辛み(アルカリ性寄りの味)は、未熟なオリーブから作られたオイルの特徴です。

一方、味わい深さだったり丸みある口当たりは、完熟に近いオリーブで精製されたオイルが織りなす特徴となっています。(完熟により酸が発生、より中性的な味わいになる。)

River Estateでは、5種類のオリーブを育てています。

それぞれの収穫の時期、熟し方の違いや、天候の影響において、各々特徴があります。

各々の特徴は、オイルとなり味の違いを生みます。

今年のオリーブオイルは昨年と違い、すごくマイルド。と、Barrieさん。

ちなみに、25℃以下で不加熱処理、いわゆるCold Pressedという製法で、オリーブのフレッシュさや味わいを大切に加工されています。

オリーブの種類

River Estate では、↓の5種類と、Tuscan Blendというオリジナルブレンドがあります。

オリーブの名称

・Leccino

・Chemlali

・Koroneiki

・Frantoio

・Picual

種の原産国

イタリア

北アフリカ

ギリシャ

イタリア

スペイン

フレーバーの特徴

なめらか。バターやバナナのニュアンス。

なめらかで、ナッツのニュアンス。

グリーンティーのニュアンス。軽くペッパリーな後味。

フルーティーでシトラスなフレーバー。ペッパリーな後味

唐辛子のような鋭い辛さと、ゆるやかなペッパリーな後味。晩熟で熟れるのが遅い。

 

・Tuscan Blendは、ヨーロッパで代表的なオリーブオイルを再現。みんなに愛される優しい味わいのブレンド。
優しい味の中に、フレッシュさ、キリっとした後味が特徴的。

今年のオリーブオイルは・・・

今年は昨年に比べ、収穫が遅くなってしまい、全体的にかなりマイルドになってしまった。理由は、収穫が遅れてしまい完熟を過ぎてしまっと事に由来すると、Barrieさんは少し残念そうな表情でした。

それもそのはず。例年は、ほとんどがExtra Virgin Olive Oilとして売れていたが、今年は、半分がダメだったとのこと。

Extra Virgin Olive Oilとして売れるのは、オレイン酸(Oreic acid)の含有量が最大0.8%でなければならない。

しかし今年は、Leccino と Chemlali 種のオリーブオイルがこの数値に達しなかった。

今年のKazuya Restaurantブレンドは!?

Barrieさんのノート。Barrie さんのノートには、その年のTuscan Blendの配合、Kazuya Restaurantの配合が記録されています。

ズバリ今年の配合は、Picual:3、Frantoio:1、Chemlali:1でした!

Picual メインにしてより辛さと全体の輪郭を。Frantoioで後味余韻を長くChemlaliで柔らかい味を。自家製パン、料理との相性を考え、このようなバランスを取りました。

ちなみに昨年2020年はKoroneiki:2、Frantoio:1、Picual:1でした。面白いくらいオリーブオイルのできが毎年違うのが分かります。

年に一度でも、毎年配合を熟考しながらテースティングしていると(僕は今年で三回目)違いが分かってくるもの。

しかしながらこんな機会を与えてもらってる、River EstateのBarrieさんやウチのボスに感謝。

最後に – 料理人という生き方の糧になるもの。

長くなりましたが簡潔にまとめ、おさらいです↓

・ニュージーランドは、果実生産を得意とする、日照時間・寒暖差・石灰土壌である。

・オリーブの収穫が10日ズレるだけで味が大幅に変化。

・特徴の違う5種のオリーブでそれぞれオイルをCold Press製法で精製。

・5種のオリーブをブレンドし、調節する。

・今年は完熟しかなりマイルドに。私たちのブレンドはPicual:3Frantino:1Chemlali1となった。

僕が現在お世話になっているKazuya Restaurantでは、色んな生産者さん(とくにワイン醸造家の方)と関わりを持つ機会があります。(あちらから来てもらったり、こっちからいお邪魔したり。)

毎回勉強になっているもはもちろんですがそれだけではありません。

愛を持って何かを生み出している人と関わることで、料理人としてたくさんの刺激をもらってます。

心底喜びに満ち溢れたり、情熱が湧き起こったり。楽しくて仕様がありません。

料理人という生き方が辞められない理由のひとつです。

料理人って楽しい!

▼Kazuya Restaurant のオリジナルブレンドは、当店のホームページから購入できます。▼

kazuya olive oil

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